襲撃

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-- ジュリアは自室で頭を抱えていた。 自室と言っても、狭い部屋の中に寝台と小さな机があるだけで、それ以上物を置くだけの広さは無い。 小隊長クラスに与えられる専用の部屋なのだ。 そんな狭い部屋の中で、全てを自分に押し付けてどこかに行ってしまったフリックの事を考えていた。 軍を編成すると言っても、指揮官が居なくては何も出来ない。 フリックの考えは何となく分かる。 アキュアが復帰するまでに、使えるようにする事だ。 だが、肝心な兵をどこから集めればいいのか……。 「やはりフリック殿に聞いた方が早いか……」 ジュリアは立ち上がると、部屋の扉を開けようとした。 「どうした?」 外から突然扉が開き、フリックが立っている。 「フリック殿!?」 「だから、どうした?」 ジュリアを見ているフリックは首を傾げている。 「フリック殿に相談をと思いまして」 「なる程……その顔は編成に苦労しているようだな」 勝手にジュリアの部屋に入るフリックは、そう言いながら適当に腰を下ろした。 「兵士を集める方法が分からないか?」 フリックは悩むジュリアにそう切り出した。
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