襲撃

10/40
前へ
/997ページ
次へ
ジュリアはその言葉に頷く。 「この王国で余っている部隊は無い。まぁ余っているような部隊を編成しても信用出来ないしな」 「では、オデッサのように私兵を募集すると?」 「いや、私兵として募集する事はしない」 フリックの言葉にジュリアは分からないと首を横に振った。 「私兵を集めるような方法では、何かあった時に使えなくなる可能性がある。集めるなら正規の騎士として自覚を持つ者だな」 「それこそ兵が集まらないと思うのですが……」 グラン王国には既に幾つもの部隊が存在している。 これ以上の微兵は難しいのだ。 「まず予備の部隊から人選する。ミランには許可を貰っているからな。まぁ何とかなるだろう」 フリックはそう言って笑う。 そんなフリックを見たジュリアは、不安が広がっていくのを感じていた。 「心配するな。明日から1人ずつ話を聞く。その中から選ぶさ」 「全員とですか!?」 これにはジュリアは驚きを隠せない。 予備の部隊と言っても、数万は居るのだ。 「本気ですか?」 「当たり前じゃないか。今回はすぐ使える者が欲しいからな」 フリックは更に声を上げて笑っていた。
/997ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1586人が本棚に入れています
本棚に追加