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シルはエランと共にオデッサの部屋に来ていた。
「本当に誰も居ないのですか……」
シルはオデッサの屋敷を全て見て回っていた。
人気の無い屋敷は、薄気味悪さをもかもし出している。
「この規模の屋敷ならば、少なくとも数百人は使用人が居るはずです。それが一瞬にして消えるなどと……」
「実際に人の気配は感じませんからね。疑う余地はありませんよ」
シルも首を横に振る事しか出来なかった。
「もう一度エランの話を聞きましょうか」
シルはそう言いながら棚に並べられている瓶を手にした。
「何時までも王宮を留守には出来ませんからね」
手にした瓶をテーブルに置くと、透明なグラスを2つ用意する。
そして、蓋を開けたシルは中に入っている液体を注いでいった。
「流石は上流貴族ですね。いい酒を飲んでいる」
勝手に開けた瓶を手にしたシルは、エランにも飲むように促した。
「私は……」
「相変わらずですね。ですが、あなたは飲まなければいけません」
シルの言葉と同時に気質が変わっていく。
「シル殿?」
「さぁ飲むのです」
気質の変わったシルは、エランにグラスを差し出していた。
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