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「これを飲んで全てを話してもらいますよ」
「体が……」
エランの体はピクリとも動かない。
それどころか、勝手に腕がグラスへと延びていた。
「シル殿……」
「あなたは何故アキュアを裏切るような事をしたのでしょう。いえ、違いますね……エランは義理を重んじる騎士です」
そう言いながらシルは、手首を自ら傷付けた。
赤い血液がポタポタと流れ出す。
その血液をエランが手にしようとしているグラスに近付けていった。
「ま、まさか……」
グラスの中に血液が落ち、中の液体と混ざり合っていく。
そして---。
「さぁ飲みなさい。誰も咎めたりしません」
シルはエランを押さえつけていた。
「さぁ早く」
エランは抵抗しようと体に力を入れた。
だが、自分の意思とは関係無くグラスを掴み取ると、そのまま口へと運んでいった。
ゴクリとエランの口から入った液体を飲み込む。
「がはぁ……っ」
暑い何かがエランの体の中を駆け巡っていった。
「それでいいのです。これで、あなたは私に逆らう事は出来ません。さぁ、全部飲み干しなさい」
シルは怪しい笑みを口元に浮かべていた。
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