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「ねぇライラ……」
シオンはライラの目を見つめていた。
「な、何だ?」
ライラは思わず後ずさりしようとする。
だが、シオンがライラの手を強く握り返した為、その場から動く事が出来ない。
「オレはライラと離れるのは嫌だ」
「シオン……」
「だから……その……」
シオンの顔も赤くなっていく。
そして、長く感じるほどの時間が流れていた。
「全く……めんどくさい奴だな」
そこへ頭をかきながらフリックが歩いて来た。
その隣には男の騎士が並んでいる。
「ライラに好きだと言えばいいだろうが。いや、愛してますの方がシオンらしいか?」
「フリック殿、笑いながら言う事ではないと思いますが」
「はっきりしない奴が悪いんだよ」
フリックはそう言いながら、シオンとライラの肩に手をかけた。
「フリックさん……あのですね……」
「邪魔して悪いんだが、上から丸見えなんだよ」
「えっ!?」
2人は間抜けな声を上げながら、フリックが指差す方向へと視線を移した。
そこには、微笑ましく見下ろすミランの姿があった。
「ライラも積極的なんだ。シオンも男らしさを見せるんだな」
フリックの言葉に、ますます赤くなっていた。
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