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「フリック殿……」
一緒に居た騎士は、その位にした方がと言いながら、フリックの肩を軽く叩いた。
「2人の関係は我々が口を出す事ではありません。それより---」
「本題に入れか?」
フリックはシオンとライラから少し離れた。
そして、赤くなっている2人を見ながら「悪いが時間が無い。シオンの返事を聞かせてくれないか?」と言った。
「返事ですか?」
顔を上げたシオンは口ごもる。
そのシオンの代わりにライラが「私を加えてほしい」と口を開いていた。
そのライラの申し出にフリックも驚きを隠せない。
確かにライラは騎士だ。
しかも、一時は将軍の副官として部隊を指揮していた。
軍に戻れば戦力として期待出来るだろう。
それでもフリックは首を縦に振る事は出来ない。
「ライラの申し出は嬉しいが、お前を使うつもりはない」
「何故だ?」
「お前は女だからだ」
「そ、そんな事が理由になるか!」
ライラはフリックに詰め寄って行く。
「何を言われようと私は軍に戻らせてもらうからな」
「そうか、それなら覚悟を見せてもらおうか」
フリックはライラを睨み付けるようにしながらそう言った。
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