襲撃

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ライラは背中の紐を全てほどくと、ゆっくりと肩から脱ぎ初めていく。 初めは腕を、そしていよいよ胸が露わになろうとしていた。 「もう、いいでしょう!?ライラにこんな事をして、フリックさんは何も感じないのですか!?」 シオンはライラに羽織っていた上着を肩にかけた。 そして、フリックの正面に立ちながら「オレの考えは初めから決まっている。でも、これ以上ライラに何かするなら、オレはあなた達を敵とみなす」と言った。 「ふんっ……俺は覚悟を見せろと言ったんだ。シオンと戦うつもりは無い」 フリックはそう言うと上を見た。 その視線の先にはミランがこちらを見下ろしている。 「ミラン、ずっと見ていたのだろう?」 フリックは叫んだ。 「こんなくだらない事をしなくとも、シオンは分かっている。こいつは少し不器用なだけで、進むべき道は見えているんだよ!」 フリックの叫びにミランは頷くと、その姿を消した。 「ジュリアも悪かったな」 言いながらライラの前に立つフリックは、深々と頭を下げて謝った。 「辛い思いをさせてしまった」 そんなフリックに「覚悟は出来ている」と、ライラは気丈に言った。
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