1586人が本棚に入れています
本棚に追加
ライラは背中の紐を全てほどくと、ゆっくりと肩から脱ぎ初めていく。
初めは腕を、そしていよいよ胸が露わになろうとしていた。
「もう、いいでしょう!?ライラにこんな事をして、フリックさんは何も感じないのですか!?」
シオンはライラに羽織っていた上着を肩にかけた。
そして、フリックの正面に立ちながら「オレの考えは初めから決まっている。でも、これ以上ライラに何かするなら、オレはあなた達を敵とみなす」と言った。
「ふんっ……俺は覚悟を見せろと言ったんだ。シオンと戦うつもりは無い」
フリックはそう言うと上を見た。
その視線の先にはミランがこちらを見下ろしている。
「ミラン、ずっと見ていたのだろう?」
フリックは叫んだ。
「こんなくだらない事をしなくとも、シオンは分かっている。こいつは少し不器用なだけで、進むべき道は見えているんだよ!」
フリックの叫びにミランは頷くと、その姿を消した。
「ジュリアも悪かったな」
言いながらライラの前に立つフリックは、深々と頭を下げて謝った。
「辛い思いをさせてしまった」
そんなフリックに「覚悟は出来ている」と、ライラは気丈に言った。
最初のコメントを投稿しよう!