襲撃

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直ぐに小さなカップが運ばれてくる。 「ありがとうございます」 カップを受け取ったシルは、礼を言うと水を注ぎ口に運んだ。 「味が落ちるのは仕方ありませんね」 そんな事を呟きながら、シルは再びエランに向き直る。 そして、再び口を開いた。 「ミランは、王族は必要ないと考えています。誰もが平等であるべきとね。でも、力が足りない……。王家に忠誠を誓う騎士も居ますが、不満を持つ者達の方が多いのです。ならば、どうすればいいのでしょう」 「私兵を使って内部から混乱させると?」 「違います。ミランに諦めてもらえば被害が小さくなるのではありませんか?」 シルは不適な笑みを浮かべていた。 エランは思う。 この男が何を考えているのかと。 このままでは危険なのではないのか……。 だが、今のエランに出来る事は命令に従う事だけだった。 「何も心配はいりません。要は人々が平等で安心しながら暮らす事が出来る世界にすればいいのです」 「シル殿は本気でそのような事が出来ると思っておられるのか?」 そう言ってエランは、シルを睨み付けいた。
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