襲撃

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「な、なんだ……」 体が暑く息苦しい。 そして、自分の意思とは関係なく、体が動き始めた。 「エラン。あなたはオデッサの屋敷で飲んだ酒が何だったと思っているのですか?」 「くっ……」 意識がもうろうとする中で、エランはシルを見る。 口元に笑みを浮かべたシルは、何かを楽しむようにエランを見ていた。 「あの酒はオデッサが奴隷に飲ませる為に作らせた魔石が入っている酒です」 「魔石……」 「その酒を飲んだ者は、意思とは関係なく体の自由を奪われるのです。当然、魔石を体内に入れる訳ですからね。何かしらの副作用はありますけどね」 シルの言葉が信じられないエランは、自由の利かない体の呪縛から逃れようともがく。 だが、何かの力によって奪われていく意識が、何をやっても無駄だと告げていた。 「シル殿は……魔族では……ないので……す……か……」 エランはそこで暗闇の中へと落ちていった。 「私が魔族だと言うのなら、この大陸で生きていく事は無理でしょう」 地面に倒れたエランに向かって、シルはそう言った。
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