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シオンとライラはフリックの元へと向かっていた。
あんな事があった後だったが、行かない訳にはいかない。
ライラは軍に戻る事を希望しているのだ。
神妙な面立ちをしながら、2人は長い廊下を歩いていた。
そんな2人にフリックからの伝令が届く。
「ミラン女王がお呼びです」
シオンはその言葉に眉がピクリと動いた。
「ミラン女王が?」
「はい、急ぐようにとの事でございます」
2人はお互いの顔を見合った。
そして「すぐ行くと伝えてくれ」と、ライラが言う。
「ライラ?」
「どうせ行かなければならない。なら、いつ行っても同じだ」
ライラは戸惑いを見せるシオンにそう言うと、ミランの待つ部屋へ向かって行く。
この2人の居る場所からなら、そんなに距離は無い。
「本当に行くんだね?」
シオンは前を行くライラに声を掛けると「当たり前だ」と、言った。
シオンはあまり気が乗らない。
ライラに対し、あのような事をしたのだ。
ライラが許してもシオンは許す事が出来ない。
だが、シオンの気持ちとは裏腹に、ライラはサッサと進んで行った。
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