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2人は直ぐにミランの待つ部屋に着いた。
大きな扉を軽く叩き、ゆっくりと開けていく。
そして、2人の姿を見たミランは「待っていました」と、穏やかな口調で言った。
「まずは、ライラに謝らなければなりませんね」
2人を正面に見据えたミランは、そう言って頭を下げる。
「謝る?初めから謝るつもりなら……どうして……」
ミランを睨むように見るシオンは、言葉が上手く出て来ない。
女王に頭を下げられては、何も言えなくなるのだ。
「ライラには辛い思いだったでしょう。ですが、私には見届ける義務があります」
「義務って……他に方法はあるでしょう」
「そうですね。シオンの言うように、方法は他にもありました。ですが、ライラは女性です。しかも、こんなにも綺麗なのですよ?」
ミランの視線が鋭くなっていく。
そんなミランにシオンは口調を荒げて反論しようとした。
だが「シオンは黙っていろ」と、ライラが制止する。
「もう済んだ事だ。それより私達を呼んだ要件は何だ?」
「貴様は女王に向かって、その口の聞き方は何だ!?」
その時、ミランの後ろで控えていた男が、ライラに向かって怒鳴り声を上げた。
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