襲撃

35/40
前へ
/997ページ
次へ
2人は直ぐにミランの待つ部屋に着いた。 大きな扉を軽く叩き、ゆっくりと開けていく。 そして、2人の姿を見たミランは「待っていました」と、穏やかな口調で言った。 「まずは、ライラに謝らなければなりませんね」 2人を正面に見据えたミランは、そう言って頭を下げる。 「謝る?初めから謝るつもりなら……どうして……」 ミランを睨むように見るシオンは、言葉が上手く出て来ない。 女王に頭を下げられては、何も言えなくなるのだ。 「ライラには辛い思いだったでしょう。ですが、私には見届ける義務があります」 「義務って……他に方法はあるでしょう」 「そうですね。シオンの言うように、方法は他にもありました。ですが、ライラは女性です。しかも、こんなにも綺麗なのですよ?」 ミランの視線が鋭くなっていく。 そんなミランにシオンは口調を荒げて反論しようとした。 だが「シオンは黙っていろ」と、ライラが制止する。 「もう済んだ事だ。それより私達を呼んだ要件は何だ?」 「貴様は女王に向かって、その口の聞き方は何だ!?」 その時、ミランの後ろで控えていた男が、ライラに向かって怒鳴り声を上げた。
/997ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1586人が本棚に入れています
本棚に追加