襲撃

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「私はデルララの人々を……いえ、王国の人々を守らなければなりません。例え愛する者が敵になったとしてもです」 「ミランさん……」 シオンはそれでも納得出来ない。 愛する者同士が争うなどと、許される筈もないのだ。 だが、シオンを見るミランの顔は、覚悟に満ちていた。 「もう一度2人に聞きます。力を貸してもらえますか?」 「オレは反対です。どんな理由があるのか分からない。でも、血を流す事で解決するなんて間違ってますよ」 シオンはミランを見つめた。 そのミランの瞳には、涙がうっすらと見える。 覚悟があると言っても、やはり辛いのだ。 「相変わらずシオンは甘いですね」 「---っ!!?」 その時、廊下の方から聞き慣れた声がした。 「ま、まさか……」 「シル……さん……」 言葉を詰まらせながら入り口へ視線を移すミランとシオン。 少し遅れてライラが振り返った。 返り血を浴びたのか、体の所々が赤くなっている。 「ミランが明け渡すとは思えないのでね。予定より早く来ましたよ」 シルはそう言いながら部屋の中に進んで来た。
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