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「ですが、攻撃とは相手に当たらなければ意味がありませんよ」
シオンの攻撃を避けながらも、余裕の表情をしていた。
「それは、シルさんも同じでしょう。あなたの実力では、オレに勝つ事は出来ない」
そう言ったシオンは、攻撃のスピードを上げていく。
「なる程……シオン君の言う通りですね」
余裕の表情がシルから消えた。
「私も本気で行かせて貰います」
左手をシオンに向けたシル。
その瞬間にシルの気質が変わっていた。
「素直にデルララを明け渡せば良かったのです」
その言葉と同時に、シルの左手から衝撃波が発せられた。
「見えてますよ」
シオンは、その衝撃波を難なく避けていた。
そして、その衝撃波はシオンの後ろにあった壁を破壊する。
「流石は天使に愛された者だけの事はあります。今は契約していなくとも、その片鱗は残っているのですね」
シルはそう言いながら、連続して衝撃波を放つ。
そのことごとくをシオンは避けていた。
部屋の壁が破壊され、誇り混じりの煙が広がっていく。
視界が狭くなり、シルの位置がよく分からない。
それでもシオンは剣を振り続けた。
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