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「シオン……」
ミランを守るライラは愕然としていた。
シオンが強い事は知っている。
2年も一緒に旅をして来たのだ。
それなのに……。
「この強さは何だ……?」
今まで見せた事のないシオンの動き。
ライラとは違い、まるで剣舞のようにも見えた。
「それがお前の本当の強さか」
衝撃を受けるライラは、力の差を感じていた。
「ライラ、早くミランさんを!」
そんな愕然とするライラにシオンの声が届いた。
「し、しかし……」
「早く行け!」
「シオン……死ぬなよ」
ライラはミランの手をとると、ゆっくりと移動していく。
「あなた方も一緒に行きましょう」
ミランは震える使用人たちに言った。
「あなた方を残して私だけ逃げる事は出来ません」
「急いで!」
ミランの言葉とシオンの言葉が重なる。
「ミラン、あなたは私の妻であり女王です。逃がしませんよ」
シルはミランに左手を向けた。
そして、衝撃波を放とうとした。
「させない!」
シオンは、シルに向かって行く。
剣を横になぎ払い、シルの体制を崩した。
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