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伝令兵に命令を伝えたジュリアは、王宮へ向かって行く。
その王宮は誰かに攻撃を受けたのか、鮮血を流して絶命していた。
「こ、これは……」
あまりにも悲惨な光景に、ジュリアは口を押さえた。
胃袋から何かすっぱい物が込み上げて来た。
「誰も気付かなかった……?」
そんな筈は無い。
これだけの者達が悲鳴も上げなかったとは考えられないのだ。
「急がなければ……」
フリックと合流するべく、ジュリアは先を急いだ。
そして---。
「女王?」
ジュリアが王宮の中を急いで進んでいた時、ライラに守られたミランの姿が見えた。
「あなたは?」
「私はフリック殿の部下、ジュリアです。急ぎお伝えしなければならない事があるのですが」
ジュリアは何故、この場にミランが居るのか首を傾げながら口を開こうとする。
「話は後からではダメか?」
ライラがミランの前に出て来ると「私達は王宮から離れなければならない」と言った。
「何故ですか?」
「シルが暴れているからだ」
「では、そこにフリック殿が?」
「いや、足止めをしているのはシオンだ」
ライラは口早に説明していった。
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