王都炎上

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「そんな事が……」 ライラの説明を聞いたジュリアは驚きを隠せない。 「では、フリック殿には会わなかったのですね?」 「姿は見ていない」 「そうですか……。では、自分はフリック殿を探します」 ジュリアはミランに敬礼すると、王宮の奥へと姿を消した。 「私達も急ぎましょう」 ライラはミランの手を引く。 そのミランは顔が青ざめていた。 「本当に……本当に私は……」 その場にひざまずくミラン。 「もっと、しっかりして下さい。悲しい気持ちも理解出来ます。でもあなたは……この国の女王です」 女王……。 何と重たい言葉だろう。 ライラは自分で口にした言葉に憎悪を感じてしまった。 ミランは好きで女王になった訳ではない。 それでも女王になったからには、全てにおいて責任が付いて回るのだ。 それはミランが一番分かっている事だろう。 「さぁ行きましょう」 ライラはミランの手を取り、先を急いだ。 そのすぐ後ろからは、数名の使用人も着いて来る。 それぞれが色んな思いを胸にしまい、とにかく王宮の外へと急いだ。
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