王都炎上

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暫くすると、今まで敏感に反応していた体が、元に戻っていた。 後にどんな影響をアキュアに与えるのか分からない。 それでも今動く事が出来るなら問題は無い。 アキュアは、リリィーが作ってくれた服を着ると、勢い良く部屋から出て行く。 何故、リリィーが魔石の粉を持っていたのか……。 そんな事は今は関係ない。 とにかく、直ぐにでもフリックと合流する必要があった。 「リリィーは私の武器を持って来てくれ。私は大ホールへ行き話を聞いて来る」 「分かりました」 2人は別れ、それぞれの目的の場所へ向かって行く。 アキュアは不審に思った事があった。 それを確認する為には、フリックと合流する前に神官から話を聞く必要がある。 「急がなければ……」 デルララの街を燃やす炎は待ってくれないのだ。 アキュアは、大ホールへ続く廊下に出ると走り出した。 久しぶりに体が動く。 その事がアキュアは嬉しい。 だが、いつまでも喜んではいられない。 アキュアは目の前に見え始めたホールの入り口へ急いだ。
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