1586人が本棚に入れています
本棚に追加
--
「一体、何が起きているんだ!」
「また、戦争が始まるの?」
そんな不安がる人々の声が薄暗いホールの中で響いていた。
その人々の声に、祭壇から見つめる神官達。
何か言う訳でもなく、ただ、黙って両手を胸の前で握っていた。
「神官様、戦いが始まるのですか?」
1人の民が祭壇に近付きながら言った。
だが、その問いに答える事は出来ない。
神官達も何が起きているのか分からないのだ。
「皆さん。今は祈りましょう。この大地教団が争いに巻き込まれる事はありません」
確かに大地教団に争を仕掛ける事は少ない。
大陸中に勢力を持つ教団は、それなりの戦力を持っているのだ。
また、平和の象徴として君臨している為、わざわざ争いを仕掛ける者は居ない。
「大地教団が争いに巻き込まれる事は無いと、何故言える?」
その時、人々の不安を煽るようにアキュアの声がホールに響いた。
「大地教団は確かに平和な象徴だ。それでも、争いが起きるのは何故だ?」
アキュアの言葉にホール中が静まり返っていた。
「まぁいい。今はそんな事より聞きたい事がある」
アキュアは祭壇に上がると、神官の前に立った。
最初のコメントを投稿しよう!