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「聞きたい事とは何でしょうか」
神官はアキュアを刺激したくないのか、口調は穏やかだった。
「大地教団には神殿騎士団がある筈だが、その騎士団は何をしている?」
「それが……」
1人の神官が何か言おうと口を開きかけた。
だが、それ以上の言葉が出て来ない。
「そうか……。それだけ確認出来ればいい」
アキュアはそれだけを言うと「誰か神殿の門を閉めろ。これ以上誰も人を入れるな」と叫んだ。
ホールに集まった人々は、お互いの顔を見合っている。
突然現れて、いきなり何を言うのかと、そんな顔をしていた。
「神殿騎士も中に入れるな。いいか、男は女子供を守れ」
アキュアはそれだけ言うと、祭壇から降りて行く。
「お待ち下さい」
そのアキュアに神官が納得出来ないと言った表情で、呼び止めた。
「街に火を放っているのは神殿騎士だよ」
アキュアは神官にそれだけを言うと、そこからは振り向く事は無かった。
「何を根拠に言われるのですか!?」
振り向かないアキュアに、神官は叫んでいた。
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