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「ミランさんの気持ちを考えれば、こんな事出来ない筈です。シルさんの行動で、どれだけ悲しい思いをしているか……」
シルの構えを見たシオンも、そう言いながら構えを取る。
お互いの剣先が触れ、そこで歩を止めた。
「ミランは貴族を無くし、王族をも不要と考えている。その考えを実行出来るのは私しか居ません。それはミランも分かっています」
「本気でそう思っているのですか?」
シオンはシルを睨む。
そのシルは「私が支配すれば、全てが収まります」と言った。
「どうして……」
シオンは膝に力を入れた。
そして、シルの剣先を弾くと、そのまま突っ込んで行った。
シルに攻撃を与えないように、剣の上を刃を走らせて行く。
そして、左から右へと水平に振り払う。
シオンの剣先はシルにかする事なく空を斬っていた。
シルは一瞬にして後ろに飛ぶと攻撃をかわし、その反動を利用してシオンに向かっていく。
長剣を自分の腕のように扱うシル。
「私の前に出てはいけません」
シルはシオンに対して、連続攻撃を始めた。
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