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「背中を強打して意識が薄れましたか」
シルはシオンの前に来ると、そこで腰を下ろす。
片膝を着き、右手でシオンの顔を掴むシル。
「もう一度聞きますよ。私の---っ!?」
その時、シルの後ろから凄まじい殺気が放たれた。
「フリックですか……」
シオンを離したシルは、部屋の入り口に立つフリックを見る。
「随分と面白い事をしてくれたじゃないか」
フリックは部屋の中に入ると、シルとの距離を一定に保ちながら剣を抜いた。
「お前と話す事は何も無いぜ?」
そう言いながら、一気に床を蹴り上げるフリックは、シルとの間合いを詰めた。
視界の隅にシオンを見ながら、フリックはシルに剣を振り抜いていく。
重たい一撃がシルを襲う。
だが、そのフリックの攻撃を顔色1つ変えず、片手で受け止めていた。
「私に剣を向けるのは愚かな事です」
手のひらから赤い液体が流れ落ちていく。
その液体が床に広がりを見せると同時に、シルは右手をフリックに向けた。
「私もフリックと話す事はありませんよ」
そう言いながら、衝撃波を放つシル。
その衝撃波をフリックは難なくかわしていた。
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