王都炎上

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「攻撃が単純なんだよ」 衝撃波を放った事に驚く事も無く、フリックはシルに詰め寄って行く。 手を強く握り、そのままシルの左頬を殴りつけた。 「人々の受けた痛みは、この程度じゃないぜ」 倒れたシルに馬乗りになると、フリックは再び顔を殴りつけていく。 怒りが治まらない。 裏切られた憎しみが、フリックの心を支配していた。 「フリックこそ単純な攻撃ですよ。私に殴りかかった所で無意味だと知りなさい」 シルはフリックの腹に手を添えるように触れた。 そして、フリックが逃げるより先に、再び衝撃波を放つ。 だが、その衝撃波もフリックには当たらない。 フリックは、一瞬の判断で後ろに飛び退いていた。 「シルよ。お前は良き戦友だと思っていたんだがな。こんな結果になって残念だ」 「ふ~ん……2人は友達だったんだぁ?知ってたけどさ」 「誰だ?」 「誰ですか?」 2人の間に割って入る謎の声。 その声は直接、頭の中に響いて来る。 「あたしの事は気にしなくていいんだよぉ?早く殺し合いを見せてよ」 謎の声は、とても楽しそうにクスクスと笑っていた。
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