王都炎上

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「私は誰にも負けない……」 姿勢を低くして足に力を込めた。 神殿騎士の言う通り、力では勝てない。 だが、その力に対抗するにはどうすればいいのか……。 「簡単な事だ!」 誰かに言う訳では無い。 自分に言い聞かせたライラは、力を込めた足を一気に解放した。 視界が狭まるような感覚がライラを包んでいく。 まばたきする間も無い僅かな一瞬で、ライラは神殿騎士の懐へ飛び込んだ。 「残念だったな。戦い方と言うものは、常に変動する。その中で最善を選択出来る者だけが生き延びる事が出来る」 ライラは剣を強く握っていた。 剣先を神殿騎士に向け、躊躇する事なく飛び込んだ。 そして、確かな手応えを感じた。 「ぐふっ---!?」 何が起きたのかも分からなかったかもしれない。 それ程ライラの動きは早かったのだ。 腹部に突き刺さった剣は、背中を貫いている。 間違いなく致命傷だった。 「お前たち神殿騎士は戦いに慣れていない。それが敗因と知れ」 そう言いながらライラは剣を引き抜く。 騎士は、その衝撃で体を痙攣させた。 「残念だ」 ライラは一言呟くと、ミランと合流するべく走り出した。
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