予兆

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そのアキュアの前に刺客が姿を現す。 覆面をしている為、表情は分からない。 ただ覚悟を決めたのか、凄まじい殺気を放っていた。 「その程度の腕では、傷1つ付ける事は出来ないぞ」 刺客を気にする様子を見せないアキュアは、手にしていたシーツを刺客に向かって投げつけた。 バサッと音を立てながら広がるシーツに意表を着かれたのか、刺客は動く事が出来なかった。 「アキュアは下がっていろ」 刺客に向かって飛び込んだフリックは、首筋を殴りつけて気絶させた。 「俺達が命を狙われる覚えは無いんだが……」 フリックは刺客の顔を見ようと、覆面を剥がした。 「……女か!?」 それは、あどけなさの残る少女だった。 「後で話を聞かせてもらわないといけないんだが……」 「女と知って、手が出せなくなったか?」 アキュアはフリックに怪しい笑みをこぼしていた。 アキュアは知っているのだ。 女に手をかけるような男ではない事を……。 「私が話を聞いておく。フリックはシルに伝えた方がいい」 「分かった。だが、無理はするなよ」 そう言ってフリックは部屋から急いで出て行った。
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