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1人残されたアキュアは、刺客の顔を見ながら考え込んでいた。
何故、今になって自分達が狙われるのか。
「今頃なのか、それとも……」
ようやく準備が整ったからなのか……。
「目を覚まさないと分からないな」
自分達が何者だったのか知っている筈なのだ。
それなのに刺客として、この少女はここに来た。
「目を覚ました所で話すような事は無いか」
アキュアは呟きながらも着替えを始めた。
同じ女に見られた所で気にするような事ではないが、もしフリックがシルを連れて来るようなら話は違って来る。
「案外、緊張感が無いのかもしれないな」
場違いな感想を抱いた事に、思わずアキュアは苦笑いをしていた。
「う……ん……」
そんな事を考えていたアキュアは、少女が目覚めた事に気付く。
ゆっくりとその少女に近付くと「気がついたか?」と、声を掛けた。
「貴様っ!?」
アキュアの呼び掛けに飛び起きる少女。
その少女にアキュアは「まぁ落ち着け」と言った。
「お前には聞きたい事があるからな」
少女に座るように促すと、アキュアも腰を下ろした。
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