予兆

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2人の間に緊張が走る。 いや、緊張しているのは少女の方で、アキュアにはそれが分かった。 「何故、私達を狙った?」 単刀直入に聞くアキュアに、少女は舌を噛みきろうとした。 「死ぬつもりなのは分かるが、ここで死なれると目覚めが悪くなるではないか」 アキュアは近くにあったカップを少女に投げつけた。 「私達の暗殺に失敗した時は死ぬように言われたか?」 アキュアはそう言って立ち上がると、部屋から出て行った。 何故、部屋から出て行くのかと少女は首を傾げた。 拘束具で手足を縛られている訳ではない。 いつでも逃げる事が出来るのだ。 少女はアキュアの出て行った扉を見つめた。 出入り口は、その扉の他に窓が2つある。 「何だ、逃げなかったのか?」 少女が部屋の中を見渡していた時、アキュアが入って来た。 その手には湯気を上げたカップを2つ持っている。 「ほら、熱いぞ」 1つのカップを少女の前に置くと、アキュアはもう1つのカップを口に運んだ。 「心配しなくても毒は入ってない」 笑みをこぼしたアキュアを見た少女は、ゆっくりとカップに手を伸ばした。
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