予兆

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「アキュアも一緒に暮らしているからな。そんな事より着いたぜ」 フリックは1つの門の前に来ると「全員は入れないぜ」と笑った。 「お前達はここで待機だ」 エランの言葉に、同行して兵達は姿勢を正す。 道の隅に一列になると、エランに敬礼した。 「良く鍛えられているじゃないか」 フリックはエランの肩を叩く。 そのエランは表情1つ変える事は無かった。 「まぁいい。アキュアが待っている」 扉を開け中へと入る3人。 直ぐに広めの部屋になり、そこでアキュアが待っていた。 「遅かったな」 「そうか?」 アキュアの言葉を軽く受け流すフリック。 「ご無沙汰しています」 そんな2人の会話にエランは割って入って来た。 「エランか!?懐かしいな。元気そうで何よりだ」 アキュアは手を差し出すと、エランの手を握った。 「美しくなられましたな」 エランは真剣な表情でそう言った。 「そこまで真剣に言われると恥ずかしいぞ」 アキュアはエランの手を離しながらそう言うと、部屋の奥にある扉へと向かった。
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