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「フリック……。その何だ……もう少しだな……」
俯くアキュアにフリックは溜め息を吐いた。
「お前は良くやっているよ」
そう言ってアキュアの肩に手を置くと、フリックはシルに向き直った。
「話が逸れた。とにかくだ、この少女はシルが責任を持って保護するんだな」
「分かりました。約束しましょう。エラン将軍は、ガロル領へ向かって下さい。奴隷制度の有無もお願いします」
「では、直ちに出発します」
エランは敬礼をしながらそう言うと、くるりと向きを変えた。
ゆっくり一歩を踏み出すエラン。
そのエランに「待てっ」とアキュアが声を掛けた。
「どうしました?」
エランはアキュアに向き直った。
そのエランに「私も一緒に行く」と言った。
「何!?」
驚いて声を上げたのはフリックだった。
シルとエランは言葉を失っている。
「シル、約束しろ」
「何をでしょう?」
「今回だけ手伝う。その代わり、その少女の身の安全を約束してほしい」
アキュアは何を言っているのか……。
そんな疑問が3人の脳裏によぎっていた。
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