裏切り

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「アキュア将軍から学ぶ事が沢山ありました。また、軍に復帰されれば……」 エランはそこで言葉を飲み込む。 「お前のような部下が居て私はどれだけ救われたか……。それに、立派な指揮官になったお前が、私から学ぶ事など無いだろうに」 アキュアは嬉しかったのだ。 フリックもそうだが、このエランも不甲斐ない自分の為によく働いてくれた。 それこそ感謝してもしきれない程だった。 「そんな顔してると、これからの作戦に影響が出るぜ?」 2人の会話が途切れた時、フリックが戻って来た。 「何処に居たんだ?」 フリックの言葉を聞き流したアキュアは、そう言って振り向く。 「兵達が色々と聞いて来るからな。まぁ昔話ってとこさ」 「そうか。兵も喜んだだろうな」 そんな事を話していると、ガロル領に行っていた使者が戻って来た。 「オデッサ・ガロル卿がお会いするそうです」 「そうか、ご苦労だった」 エランは使者に立った兵をねぎらうと、少し休むように言った。 「いよいよだな」 フリックが呟く。 エランが持ち帰った私兵の情報と、奴隷の有無。 聞き出す事は多い。 3人は、目の前の砦を黙って見つめていた。
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