裏切り

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奴隷制度を禁止しているグラン王国。 王国の目を盗んで奴隷制度を築き上げたオデッサ。 本来ならば、すぐ王国に報告しなければならなかったのだ。 だが、エランは1人で解決する道を選んだ。 今ここで王国の威厳に陰りを産む事は出来ないのだ。 そして、リリィーを王国に送り込ませたエランは、王宮ではなく、アキュアの元へ向かわせた。 アキュアなら殺す事は無いと確信していたからだ。 アキュア将軍には辛い思いをさせてしまう……。 そんな思いがエランの心にはあった。 それでもやらなければならない。 オデッサは、上流貴族として力を付けすぎていたからだ。 「どうした?」 オデッサは、エランの微妙な表情の変化を見抜いていた。 「いえ、湯浴みにしては少し遅いと思いまして」 適当な事を口にするエラン。 今、自分の計画が誰かに気付かれてはならない。 そして、全てが無事に終われば、後は自分を始末すればいいのだ。 エランは「様子を見てまいります」と言って立ち上がると、浴場へと向かって行った。
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