裏切り

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動く事の出来ないオデッサに、何のためらいも無く踏み込むアキュア。 手に持つ剣が、確かな手応えと共にオデッサを捉えていた。 「はうっ……」 言葉にならない言葉を発したオデッサは、その場に力無く膝を着く。 「この程度で死ねると思うな」 アキュアはオデッサから剣を引き抜くと、そのまま振り上げた。 だがその時、アキュアの体中を、言葉では言い表せない感覚が走り抜ける。 「あっ……」 視界が歪み、全身の力が抜けていく。 剣を落とし、そのまま膝を着くとうなだれるように両手も床に着いた。 「予想以上に強い精神力ですね」 男がアキュアに軽く触れていたのだ。 「十分、薬が効いている筈です。その証拠に、あなたの体に力は入らないでしょう」 男はそう言いながら人差し指を立てると、アキュアの背中に軽く触れた。 たったそれだけの事で、アキュアは今まで感じた事のない快楽の中へと落ちていく。 「う……んっ……はぅっ……」 火照る体がアキュアの感覚を狂わせていく。 だが、アキュアは剣を拾うと、そのまま自分の右足を突き刺していた。
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