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「早く女を追え!」
男は怒鳴りつけ、凄みを増して睨み付ける。
兵士たちは、その恐ろしさに武器を手にしてアキュアに襲いかかった。
「こんな時に体が……」
アキュアは壁に手を当て体を固定すると、迫り来る兵士たちに剣を向けた。
「私を舐めるな!」
壁に当てていた手に力を入れ、その反動を使って敵に向かって行く。
剣を横に薙払い威嚇したアキュアは、痛む右足に力を入れて飛び込んだ。
「来るぞ!」
兵士たちもアキュアの攻撃に備えて構えをとる。
だが、アキュアには通用しない。
姿勢を低くし、1人目の敵を打ち払う。
怯んだ隙を見逃す事なく、アキュアは兵の腹部に剣を突き刺した。
確実に仕留めた確かな感触が伝わって来る。
「恨みは無いがな……。向かって来るお前たちが悪い」
アキュアは剣を引き抜き、次の兵に狙いを定めた。
そして、同じように姿勢を低くすると、一気に間合いを詰めて行く。
「おぉぉぉっ!」
叫ぶアキュア。
鬼気迫るその姿に、兵士たちの動きは鈍くなっていた。
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