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「はぁぁぁっ!!」
フリックは近くの兵の首をへし折った。
嫌な鈍い感触が伝わって来る。
そして、その兵が倒れる瞬間に剣を奪うと、ここからは一方的な虐殺と化していった。
ある者は首を飛ばされ、ある者は腹を抉られていく。
瞬く間に血の海が広がり、ついに武器を捨てて逃げ出す者が現れた。
そんなフリックの姿にエランはアキュアだけでもと、振り上げていた剣に力を込める。
だが、ジュリアが自らの剣で、エランの攻撃を受け止めた。
「これ以上は好きにさせない!」
ジュリアはエランを押し返していく。
「お前如きの腕で、私を倒せるとでも言うつもりか?」
「エランよ、お前の相手は俺だ」
いつの間にかフリックがエランのすぐ後ろまで来ていた。
そのフリックからは、殺気とは違う何かが違和感のような物を感じる。
「お前はやりすぎたよ」
そのフリックの言葉と同時に、バチバチと火花が飛び散り出す。
そしてエランに向けて人差し指を向けると、そこから稲妻が飛び出した。
「まさか……その力は……」
驚くエランの横を通り抜けた稲妻が、僅かに顔を焦がしていた。
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