裏切り

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魔石とは、このファーレル大陸で採る事の出来る魔力を帯びた石の事である。 人々は魔族と違い、魔力を使う事は出来ない。 それ故に、この魔石を使い、様々な力を使い分けるのだ。 使い方次第では、魔族に匹敵するだけの力を持つ事も出来る。 だが、魔石を使うには自分の生命力を媒体にする為、使いすぎると死ぬ可能性もあった。 「魔族がファーレル大陸に来る事は可能性として低い。人間相手なら、魔石の力は少しで大丈夫だしな」 「それでも力を使えば命は減っていく訳ですね」 「まぁそう言う事だ」 エランに飛びかかろうとした時、フリックの体は一瞬動かなくなった。 恐らく、魔石に慣れていない体が拒否反応をしたのだろうと、フリックは思っている。 「今は俺の事よりアキュアだ」 フリックは意識を失っているアキュアを見た。 デルララまでにはそれなりの時間が掛かる。 それまでアキュアの体が持つのかが不安なのだ。 「誰かデルララに先行させてくれ。神官を連れて来た方が早い」 「分かりました」 ジュリアは一度馬車を停車させると、護衛の兵士たちを集合させた。
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