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シルはミランの自室で、今後の対策を話し合っていた。
そして、何の解決も出来ないまま時間だけが過ぎていく。
そんな時、フリックから送られた2人の兵がデルララに到着する。
そしてアキュアが負傷し、エランの姿が見当たらない事を聞いたのだ。
「まさかアキュアが負傷するとは……」
シルは驚いた。
確かに2年の間、軍から距離を取っていたが、それでもこのグラン王国で遅れを取るような事は考えられない。
シルはアキュアの強さを知っているのだ。
だからこそ、兵の言葉をすぐに信じる事は出来なかった。
「エランが裏切ったのでしょうか」
それも考えられない。
エランはアキュアを尊敬しているのだ。
共に戦い、お互いの事を知り尽くしている。
もし、エランが裏切るような事があれば、この王国にも大きな驚異となるのだ。
「やはり、有り得ませんね」
シルは自分の考えを首を横に振って否定した。
「シル1人で考え込まなくても良くてよ」
シルの肩に手を当てながら、ミランが心配そうな顔を向けていた。
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