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「情報が少なすぎる。やはりフリックが戻ってから話をした方が良いですね」
「その前にする事があると思うのだけれど?」
ミランは三大老を集めるように言った。
「三大老ですか?」
「あなたは軍務卿でしょう。国内の事は内務卿に聞くのが良いと思うわ」
この時シルは思った。
女王になってから、随分とたくましくなったと。
この目の前に居る女性が悩み苦しむ姿は見たくない。
「分かりました。すぐに三大老を集めます」
シルはミランの部屋から出て行った。
そんなシルの後ろ姿を見送ったミランは「私がもっとしっかりしていれば……」と呟いていた。
そして程なくして三大老が集まった。
何事かとお互いの顔を見やりながら、ミランの言葉を待っていた。
そして---。
「皆さん、私に力を貸して下さい」
ミランはそう言って頭を深々と下げた。
一国の主が頭を下げ事に驚く三大老たち。
「女王が我らに頭を下げなくとも、命令をしてくだされば従いますぞ」
1人の男が慌てながらそう言った。
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