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あたしがまだ赤羽の総長になる前のこと。とある倉庫で蜻蛉という集団とのいざこざがあり、一旦引くことになったのだがあたしは運悪く逃げるのに失敗してしまい蜻蛉の連中に囲まれてしまった。
蜻蛉「フン、俺達に喧嘩ふっかけてただで済むと思うなよ!!」
男達が迫ってきてさすがに数が多過ぎた。もうだめだと思ったその時、男達の動きがぴたりと止まった。
「何やってんだ?あんたら」
蜻蛉「なんだテメーはガキはすっこんでろ!」
「女に手出すなんてくずのやることだな。いや、ゴミ以下だな。」
蜻蛉「なんだと~言わせておけば、いい気になってんじゃねー!!おいオメェらたかが一人だやっちまえ!!」
霙「おいなにやってんだ!早く逃げろ!」
あたしがそういった瞬間男は蜻蛉の男達を信じられない速さで薙ぎ倒してしまった。そして残るは蜻蛉総長だけになっていた。相手は軽く30人はいた。
「残るはお前だけだな……」
総長「ひ!?た、頼むゆるし…」
「黙れゲスが…。」
バキッ
いのちごいも虚しく蜻蛉総長はその場に倒れ込む。
そして男はあたしに近付き。
「大丈夫ですか?怪我とかは平気ですか?」
霙「あ、ああなんともない。」
「それはよかったです。さてあなたのお仲間さんがそろそろ来る頃なので俺はこれ……で………」
急に静かになった。
霙「どうしたんだ?」
あたしは男の目線の先をみた。そこには潰れた卵があった。しかも全滅………。
「このやろー!!せっかくおばさん達にのまれながらも買った卵が割れちまったじゃねぇかよー!!……また買いに行かなくちゃ………はぁ~」
といいながらとぼとぼ帰っていった。
赤羽「霙大丈夫かー。て、霙これ全部あんたがやったのか!?」
霙「いえ、あたしじゃなくて知らない男が一人で」
赤羽「知らないって……どんな男だった?」
霙「見た目が黒い服であいつらを一瞬で……玲さん…なにか知ってるんですか?」
玲「ああ多分そいつは………黒狼だ。」
霙「黒…狼……。」
それがあいつとの出会いだった。
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