導き

12/34
前へ
/116ページ
次へ
今日もまた面倒な一日。 授業が長々と続き、ただ眠い時間が続く。 俺はボーっと外を眺めていた。 花梨に小突かれているのにも気がつかずに。 「ちょっと。雄樹君。当てられてるよ?」 ・・・現実に引き戻された。 「こら!古谷!聞こえてるのか!この問題を解け!」 やっべえ・・・わかるわけがない。 赤点常連の俺にこんな問題解けるかっ 「y=2x+8だよ。」 「・・・・y=2x+8。」 助かった。マジで危なかった。 「サンキュー。花梨。」 「どういたしまして。」 普通に助かったぜ。数学とか意味不明だし・・・ そしてまたしても空を眺め続ける俺。 頭に浮かぶのは、橋で出会った少女の顔。 なんなんだ?俺は・・・ ようやく今日も終わった。さあ・・・・ 「ちょっと待った雄樹君。掃除サボる気?」 う・・・見つかった。 「ま、まさかぁ。ちゃんとやって帰るに決まってんだろ。」 「よね。これよろしくね。」 モップと雑巾とバケツを手渡される。 全部俺にやれと? 「多くないか・・・」 「サボろうとしたんだから、文句言わない。」 「はい・・・」 やれやれ・・・花梨はほんと男勝りだな 「な、に、か・・・?」 「なんでもないです。」 目が不気味に光る。お前はターミネー○ーか! 「さぁ、さっさとやった!」 ・・・やっと終わった。疲れたし・・・ HRもついでに出てくか。しょうがないしな。 「雄樹君。今日は・・・寄ってく?」 「んあー・・今日はいかんわ・・。明日行く。悪いな、花梨。」 「私はいいけど・・・綾芽ちゃんが会いたがってたよ。」 「そーだな・・・。まぁヨロシク言っといてくれ。」 「あはは、何それ。自分でいいなよ。明日ね。」 「おう。」 そうだ・・・そういえば俺は病院にもいかなきゃいけないんだな。 けど、やはり病院は嫌いだった。 姉さんの記憶が、よみがえってくるから。 だが、そうも言ってられないんだな。 明日はちゃんと行こう・・・。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加