#O1.

2/15
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
  クレハ 「見て見てお母さん!!ラトラスが自分の名前書いたんだよ!ほら!!」 ミザリー 「ほんと?あらあらまあ…。あなたも見て!ほらラトラスが!」 トーマス 「おお!…ラトラスももうこんなに大きくなったか…。」 クレハ(M) 「決して裕福とは言えない家庭だったけれど、わたしは素晴らしい家族に囲まれて両親の愛情を一心に受けて育った」 クレハ 「ラトラス~っ!!こっちこっち!!」 クレハ(M) 「幼い弟が可愛くて仕方なかった。毎日面倒を見て、毎日あそんで…。しあわせだった。本当にこの頃は、いつまでもこの幸せが続くんだ。そう思っていた」 ミザリー 「きゃあああああっ!?」 トーマス 「ミザリーどうした!?ミザリ…うっ…」 ―後ろから襲われ、倒れる― ルオード 「ごめんねえ?おじさんたちに罪はないけどぉ、死んでもらうね」 ―ニヤニヤと楽しそうに― クレハ(M) 「その突然の奇襲に、わたしの平和な日常は、一瞬にして砕かれた」 ルオード 「あれえ?まだ一人残ってたみたいだね。あははっ、苦しまないようにしてあげるよ。ね?ボクって優しいでしょお?」 ―怪しげに笑って― クレハ(M) 「そう言って幼い少女は、強い衝撃と共にわたしの視界を静かに奪った。」 クレハ 「痛い…。痛いよ…お母さん、お父さん…ラトラス…」 クレハ(M) 「目が覚めたときそこには、両親が見るに堪えない姿で倒れていて、ラトラスの姿はどこにもなかった」  
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!