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「はぁ…つまらんわ」
結局何を見てもつまらなくて
空いてる教室のベランダでリンゴ飴を舐めながら
外を眺めていた
「何で?」
「え?」
不意に隣から声がしたと思ったら
指が俺の頬に当たった
「亮引っ掛かったー(笑」
「何やねん、そんな子供みたいなことすんなや」
俺の隣に来たのはヤスだった
「亮ヤクザになってんで;;」
「…ごめん」
「今つまらんーとか言うてたけど、どうかしたん?」
「俺やったら分かるやろ」
「あー、たっちょん?(笑」
「ん、」
「そっかー、出し物にたっちょん駆り出されてて一緒にいれないんや」
「おん
俺は何も出し物ですること無いからブラブラしててんけど、やっぱ大倉と一緒やないとつまらんく感じんねん」
「俺もそうやて、あれ」
ヤスが指差した方を見ると
外のステージの上で歌っているすばるくんの姿
「ヤスこそ何でや、ヤスギター弾けんねやろ?」
「俺は歌ってる渋やん見てる方が楽しいから、マルにギターやないけどベース任した」
「そうなん」
楽しそうな顔で
歌っているすばるくんを見ているヤス
こっからでも
すばるくんが見れるんやからええやんか
「ヤスはええな」
ボソッと俺は呟いた
「へ?」
「いや…」
「そんなたっちょんこと気になるんやったらさ、たっちょんとこ行こうや」
「え?」
「気になるんやろ?
行こっ」
「え、ちょヤス…っ」
ヤスに腕を掴まれて
大倉のクラスに連れていかれた
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