消毒

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「俺の侯隆に、何してくれとん?」 ドアから入ってきたのは 助けを求めた ヒナ 「何って? 自分の彼女を抱いてるん」 小島くんも引き下がろうとしない 「人のもんに手出して、ええと思ってんのか!?」 ヒナは小島くんに近付いて 胸ぐらを掴み上げる 「はっ、俺やって生徒会長が好きやねん お前のせいでずっと何も出来ひんかったんや」 「やからって…っ」 その瞬間 部屋に鈍い音が響いた 「った…、何すんねんクソゴリラ!」 「クソゴリラ…? 今度は自分らのこと殺したろか? 俺やって殺すこと位出来んねんで?」 ヒナは笑って 手をポキポキと鳴らす 顔は笑ってても 目は笑ってない 「俺やって出来るわ、こっちは三人もいてるんやからな」 「もうやめろや!」 こんなの聞いてられなくて 二人の血なんか見たくなくて 俺は叫んで二人を止めた 「侯隆…」 「俺が悪いねんから 小島くんに抱かれた俺が…っ」 いつの間にか 涙が頬を伝っていた 「…ごめんな…、」 ヒナはそっと優しく 俺を抱き締めた 「…っ、信…五」 俺も今まで怖かったこともあって 強く強く ヒナに抱き付いた 「ちっ、目の前でええとこ見せ付けんなや 絶対、また来るから。」 小島くんはそう言って 出ていった .
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