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5月5日、こどもの日。
毎年毎年この時期になるとこそこそしやがる屯所の連中のせいで、この歳になっても自分の誕生日を嫌でも意識してしまう。
奴らは隠し通して毎回サプライズパーティーを起こせていると思っているみたいだが、大将があの近藤さんだ。
こちらをあからさまに気にしながら、浮かれて何やら用意しているのを見て、気付くなという方が難しい。
──それに、
「さて..これからどうすっかね...」
わざとらしく「今日は非番だ!好きなところへ行ってこい!...ぁ、夜には戻れよ、夜には!!」などと近藤さんに言われてしまっては、僅かにあった疑念も確信に変わるというもので。
好意を無下にする訳にも行かず、素直に私服に着替え、外へ出て来たのだ。
「あれー?多串くん?」
「っあぁ?」
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