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結局近くの甘味屋に入ることになり、銀時に奢らされる羽目となった土方が、溜息を吐く。
経緯がどうであれ、現状がどうであれ──想い人とこうして誕生日に2人でいられることは、悪くないだろう、と。そう思うことにしたのだ。
「土方さー、非番っつってたよな」
あらかたパフェを食べ終えた銀時が、顔を上げる。
「そうだが」
「今日1日屯所にゃ戻らねぇってことか?」
何故そんなことを聞くのかと首を傾げながら、夜までに帰れと言われたと返すと。そうかと言ってまたパフェを頬張る。
「どうかしたか?」
「んーと..まぁ待て。食ってからだ」
いつも全てに対して面倒そうに構えるこの男が、パフェは一口残らず平らげようとしているその様に苦笑しつつも。
その姿を愛しいと思ってしまう自分は、相当頭が沸いているのかもしれないな、と。
煙草の煙に隠すように、また溜息を吐いた。
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