似た者同士の不器用同士 - 土*銀 馴れ初め

4/6
前へ
/17ページ
次へ
結局近くの甘味屋に入ることになり、銀時に奢らされる羽目となった土方が、溜息を吐く。 経緯がどうであれ、現状がどうであれ──想い人とこうして誕生日に2人でいられることは、悪くないだろう、と。そう思うことにしたのだ。 「土方さー、非番っつってたよな」 あらかたパフェを食べ終えた銀時が、顔を上げる。 「そうだが」 「今日1日屯所にゃ戻らねぇってことか?」 何故そんなことを聞くのかと首を傾げながら、夜までに帰れと言われたと返すと。そうかと言ってまたパフェを頬張る。 「どうかしたか?」 「んーと..まぁ待て。食ってからだ」 いつも全てに対して面倒そうに構えるこの男が、パフェは一口残らず平らげようとしているその様に苦笑しつつも。 その姿を愛しいと思ってしまう自分は、相当頭が沸いているのかもしれないな、と。 煙草の煙に隠すように、また溜息を吐いた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加