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いつも騒がしい歌舞伎町では珍しい、静まり返った夜更け。
まるで何かを暗示するかの様に、気味の悪い程静かな夜には、決まってあいつが訪れる。
闇を纏い、漆黒の髪から白い包帯を覗かせて。
「よぉ銀時ィ..久し振りだなァ」
「高杉...。いきなり来んじゃねーよ。不法侵入か」
この町は常に何も変わりはしないのに。高杉が来るという気配を感じれば、全てが変化して見える自分は、どこか可笑しいのだろうか。
「クク..そう言う割には、ガキ共がいねぇみてぇだが...俺が来るのがわかってたのかァ?」
「...まぁ、そういうとこかも。..なんでだろうな」
愛ってやつかねェ、とかほざきながら、背中から腕を回すテロリストに、身を預けて。
背後から漂う、彼独特の煙草の香りに、酔いしれる。
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