恋1話☆幼なじみ☆

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「お前らはどうだったんだ? 高校の入学式は?」 そう俺が聞くと美香と由美の表情が曇る。 まァ大体予想はつくけどな…。 「うぅ…。 大変だったよ…。 てれび局や記者の人が沢山きて校門にはファンの人達でうじゃうじゃしてて…。 警備員さんがすごく大変そうだった…。」 「あぅ…。」 だろーな。 〝芸能人〟が通う学校だけあって注目がすごいもんな。 とくに今年は〝美の女神〟のこいつらが入学するとなっちゃァ世間が騒がないわけがない。 ただの長ったらしい校長の話しを聞かされた俺とは全然苦労がちげーよ。 「まァでも入学おめでと。 通う学校は違うけどお前ら4人は同じ学校なんだから楽しくなるんじゃねーの。」 「そうだけど…。 やっぱ優くんと一緒の高校行きたかったよ…。」 「ゆみも…。」 美月。 「……。」 奈穂美。 「……。」 4人とも表情を曇らせ黙る。 部屋の中が一気に沈黙状態でやけに時計の針の動く音が部屋を響かせる。 「なぁにお前ら元気なくしてんだよ。 どうせ家に帰ればこうして毎日会えんじゃねーか。」 4人。 「……。」 なんで俺と同じ高校に通いたいのか理由はわかんねーけど。 4人ともすごい元気ない。まァ同じとこ(高校)ってのはきっと幼なじみだからだろーな。 チッ…。仕方ネェなァ…。 「学校は違うけど、お前らが学校や仕事が休みの日は好きなだけ一緒に居てやるから学校のことは我慢しろ。…な?」 て、なに言ってんだ俺…。 こんな約束で元気になるわけ…。 「やった―! 好きなだけ優くんと一緒だ~。」 「優しゅけ約束だよ?!」 「ふふ・・・。 相変わらずねユウわ。」 「ふふ。 それが優輔さんですからね。」 あれ? 元気になっちゃった…。 なぜ?!
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