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―――数分後。
「ほらよ…。ポカリだ。」
「わ~。ありがと~。」
チッ…。
なんか納得いかねぇけど、俺は飲み物を渡すとすぐさま地面に寝転がる。
つか名前も知らねえ野郎に、なに俺は揺すられてんだよ…。
「ねぇ…。
さっき自分は〝神城優輔〟
て、言ったよね?」
「あん?
そうだけ、どあんたにはどうでもいいだろ。
用は済んだんだ。
さっさとここから失せろよ。」
瞳を閉じたまま、少しキレ気味の口調で言う。
「あんた?
わたしの名前は〝あんた〟じゃないんだけど?
ちゃんと〝藤原鈴〟っていう。
かわいい名前がわたしにはあるんだけど。」
「あっそ!
そりゃァそんな可愛らしい!
〝名前〟を名付けてくれた両親に感謝だな。」
あ―゙。
こいつと話してたらイラっとすんな。
つかいつまでここに居るつもりだよ…。
「ふーん…。
そんな態度とるんだ~。
しょうがないなぁ…。
学校中に優輔くんが盗み聞き…。」
「すずって名前すごい可愛い!
まじ超ォ可愛い!!」
「クス…。
ありがと。」
だめだ…。
俺の脳みそが〝イライラ〟しすぎてパンクしそうだ…。
つか俺ってこの悪魔に遊ばれてねーか?
あ゙―!
考えたら無性に腹立ってきた!
「ねぇ優輔くん。」
「あ゙ん゙?」
「〝恋〟したこと…ある?」
なんで俺を〝名前〟で呼んでんだよ…。
つかなに言ってんだ藤原わ…。
〝恋〟?
どんな質問だよ…。
わけわかんねーやつだな。
「なんで藤原にそんなこと「〝鈴〟。」…あん?」
「飲み物を奢ってくれたお礼に優輔くんだけに、わたしのこと〝鈴〟って呼ばせてあげる。」
「はっ?」
「感謝しなさいよ?
わたしのこと名前で呼ばせてあげる男の子、優輔くんだけなんだから。」
そう微笑む藤原は悪魔みたいな性格だけど〝表面〟はやっぱそこらの人気芸能人よりかは遥かに可愛い。
でもそんな表情見せられても俺は絶対、騙されねーッ!!
「でさ、優輔くんは〝恋〟をしたことあるの?」
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