恋2話★学校めんどうせ―ヨ★

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「なんでおま…。すずなんかに、んなこと教えなきゃならね―んだよ。 全く意味わかんねー。」 とは言ったものの…。 実際俺は教えられる〝恋〟恋愛の経験は生まれてからいま現在したことが…ない。 簡単に言やァモテねーんだな。 やば…。 空は青空のはずなのに雨が降ってきた。 「クス…。〝恋〟したことないんだ。 てことは優輔くん。 〝彼女〟もできたこともないんだね。」 なぜこいつは俺の胸に傷をつけるようなことを〝平然〟と言うんだ? あぁ…。自分は可愛いから何人もの異性と付き合ってきたことを俺に自慢してーんだな。 この〝悪魔〟めッ! 「うるせーなァ! そうだよ…。俺はモテもしねーし。 彼女なんてもん、夢のまた夢だよ!」 「そっか。 ならわたしと一緒だね。」 「は? 俺と一緒? んなわけねーだろ。 さっきだって告られたわけだし。 すずモテんじゃん。 恋愛の一つや二つ経験あんだろ。」 「告白される…か。 まぁわたし、かわいいから当然なんだけどね。」 うわ…。 なんかうざァ。 「でも…。 告白してくる人達は皆わたしの外見で決めてるだけだから…。」 空を見上げながら、そう言ったすずの表情はどこか寂しさや悲しさを感じさせる…。 「告白してくる人は皆同じこと言うんだ…。 優しいから、一緒に居て楽しいから、護ってあげたい…とかね。」 「……。」 「わたし…。 その人達と話したこともないし、優しく接したことなんて一度もない…。 ましてや誰だかよく知らない人に護ってもらいたいなんて思わない。」 だからさっきの男に告られた時、すずはあんな寂しく、悲しい〝表情〟を浮かべてたのか…。 「こんなこと話しても優輔くんにはわかんないよね~。」 俺をからかいながら笑みを浮かべる。 その〝表情〟にも悲しさを感じた…。
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