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「大丈夫だよ、恵。」
私は恵の手を握り返して言った。
「人質が2人逃げ出したぞっ!!」
「捕まえろっ!!」
男たちは銃を構えながら叫んだ。
私たちは再びマンションに向かって走り出した。
男たちも追い掛けてきた。
私たちは全速力で走った。
早く、早くマンションに着いてっ!!
私は心の中でそう叫んだ。
もうすぐマンションだというとき、男たちは私たちのほぼ真後ろに来ていた。
捕まるっ………!!
私の目からは涙が出ていた。
「こっちに来なさいっ!!」
するとある女性の声が聞こえた。
私たちは声のする方を見た。
その女性はマンションの入口に立っていた。
私たちはその人の方へ一生懸命走った。
マンションの入口に来たときその女性は前を走っていた私の腕を掴み、入口のガラスの扉の中へ入れた。
手を繋いでいたため恵も私に続いた。
パーンッ
入口に入る寸前で再び銃声が聞こえたかと思うと銃弾が恵のくるぶしをかすった。
「きゃっ!!」
恵は私に倒れこんできた。
女性は急いでガラスの扉を閉めた。
ガラスの扉の向こうでは男たちがくそっと言っている声がかすかに聞こえた。
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