*プロローグ*

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「ママ~!!早くぅ~!!こっちだよ~~っ!!」 少し離れた所からまだ幼い女の子の声が聞こえる。 「ち、ちょっと!待ちなさい、翠【ミドリ】!!」 それを追い掛ける私。 私は翠の元に着くと翠と手をつないだ。 「今日ね、幼稚園でかくれんぼをしたんだよ。」 翠は嬉しそうに今日の出来事を話した。 「そうなんだ。楽しかった?」 私は笑顔で翠に聞いた。 「うん!翠ね、最後まで隠れていたんだよ。」 笑顔で答える翠。 「すごいね~。」 私も再び笑顔になる。 ……この子は知らない。10年前にこの国で…この世界で起きたことを………。 私は夕空を見上げた。
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