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「恵…泣かないで…?」
私は恵の頭を優しく撫でた。
「とにかく…ここから降りよう?」
私が恵に言うと恵は涙を拭いて頷いた。
「軽く5メートルくらいか…。恵、飛び降りるよ。」
私がそういうと恵は驚いて首を横に振った。
「大丈夫。私が先に降りて恵を受けとめるから。」
私が笑顔で言うと最初は恵は躊躇っていたがゆっくりと頷いた。
「じゃあ、先に降りるよ。」
私はそういうと5メートルの高さを飛び降りた。
元々身体能力には自信があるほうだった私は軽々と飛び降りることが出来た。
私は下に飛び降りてから両手を広げた。
恵は目をぎゅっと閉じて私に向かって飛び降りてきた。
ドサッ
音をたてて、私たちは倒れこんでしまった。
「大丈夫?恵。」
私は起き上がりながら私の上にいる恵に聞いた。
「うん、なんとか…。」
よく見ると恵は膝をすりむいたらしくズボンが破れていた。
「恵、膝をすりむいたの?大丈夫?」
私は驚いて恵を見た。
「うん。涙こそ肘をすりむいたの?服が破れてる…。」
私は恵が指さした方を見た。
恵が言うように左の肘をすりむいていて服の袖が破れていた。
「大丈夫だよ。」
私が笑顔になると恵も安心したように笑顔になった。
「さあ、行こうっ!!」
私は立ち上がって恵を見た。
恵も頷いて立ち上がった。
そして私たちは走りだした。
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